The digital journey with Trios3 in Japan サッカーもオールセラミック審美歯科治療もフルデジタル化の時代
今回はデジタル審美歯科治療の一部をご紹介したいと思います。
この動画は、顔全体、唇と歯とのバランスから2次元的に歯並びを決定し、その並びをオーラルスキャナーでとった歯型とをスーパーインポーズ(融合)させています。
そこからオーラルスキャナーでとった歯型をデジタル上でワックスアップ。つまり、理想的な歯並び、歯の形をマウスを使った形作っていきます。
デザインソフトの中にある歯のモデルを、患者さんの歯の形に合わせ、まずはスパーインポーズ。右側の歯の形、歯並びを決まったら、それを左側にコピーして、同じく患者さんの歯の形に合わせるとあっという間にワックスアップ模型のできあがりです。
さらにそれをこうしてミリングマシンにかけて削り出していけば、精巧な被せ物、修復物の完成です。
これまではワックスアップした鋳型からメタルフレームを作って、そこにセラミックを盛って、さらにそれを焼成して、、という技工作業が必要でした。

それが今では極端な話、ミリングマシンのボタンを一つ押すだけ。
いやはや、すごい時代になったものです。
ここで大切なポイントがあります。この精巧な被せ物のセット、それは歯科医師、人の手によって最終的には行われるということです。
噛み合わせを調整し、発音、審美を確認し、その良し悪しを最終決定するのは、人間です。
この患者さんは、他医院でインプラントと被せ物を作ったが、もっと綺麗な歯にしたいという主訴で来院された60代男性の方です。

どれだけ精密な修復物が作れたとしても、セットの微調整がうまく行かないとゴールが決まりません。こうして審美性、発音、噛み合わせをチェックしながら、修正を加えていきます。

サッカーも同じく、
PKかどうか、反則かどうかはビデオ判定でジャッジ出来ます。

最後PKを決めるのは選手、人間なんです。
本当に、香川選手、よく決めてくれました。

ただし、歯科治療におけるデジタル化のステップ一つ一つは、コンベンショナルな歯科治療の診査診断、治療プロセス、技工作業の手順を再現したものに過ぎません。
つまり、手作業で行う技工、手仕事がうまく出来ない歯科医師にとって、デジタル化は何の意味もなさないということです。
型を取ったら技工士に丸投げ、技工士が立会っても、すべて技工士任せ。歯科医は何が良くて何が良くないかも全く分からず。まずはそのレベルから脱しないと、デジタル化もうまくいくわけがありません。
こちらは私がさきほど紹介した患者さんのセット時の写真。
材質はジルコニアではなく、メタルフレームの上に、ハイブリッドセラミックを盛っています。

審美、発音はもちろんですが、噛み合わせも調整なしでセット出来ました。
手作業でここまで治療ができれば、デジタルでなんでも出来ます。
デジタルワックスアップされているパコソンのモニター上の歯並びを見たら、ゴールのイメージが自然と浮かび上がってくる。ポイントは、むしろそれくらい考えて治療を行っているかどうか。
サッカーも審美歯科治療も、ゴールを決める(勝つため)には、一つひとつの準備をおろそかにしてはいけない。
そのための考察、努力を積み重ねないといけない。
サッカーにも歯科治療も王道なし、ということでしょう。