The digital journey for 3shape community デジタル歯科治療の最前線 Vol.2
2日目は、補綴におけるデジタル化、インプラントの3次元的な治療計画について。
インプラントのフルマウスケース、まだエビデンスがあるとは言い切れませんが、どんどんデータは蓄積されている様子が分かります。
1,2本のケースなら確実に使えるエビデンスは確立されています。インプラント治療におけるメリットは、仮歯の状態、理想的な歯並びの状態をそのまま再現出来る正確性、そして何より治療期間の短縮化。印象材で型をとらなくて済むから患者さんの負担も少ないんですね。
補綴的な使い方はというと、スマイルデザインの決定には非常に有効。ただし私が思うのは、ワックスアップを技工士に依頼して、模型にしてモックアップする手間が省けることが最大のメリットかと。

自分自身でワックスアップしなくても、短期間に自分でデジタルにスマイルデザインが設定出来る、いやはやスゴい時代になりました。
この手間ひまの省略化、簡略化は素晴らしいとしかいいようがありません。写真は日本においてあるトリオスのデータを遠隔操作しながら、説明を受けているところです。右側の画面は私のPCです。

ただし、例えば顔全体を3D化、3次元的に記録してスマイルデザインを決めるソフトなどもありますが、そもそも入れ歯で人工歯排列もしたことはない、ワックスアップも全て技工士さん任せなら、デジタル化なんて全く意味がありません。
大事なステップを踏まないでいる歯科医にとって、デジタル化のメリットは何も感じないでしょう。むしろ手間と費用がかかるだけ。そしてテキトーな歯科医院がデジタル化に舵を切ったとしても、使いこなせないで終わってしまいます。
さらに日本は国民皆保険制度による歯科治療の受診が主ですから、わざわざ無理してデジタル機器を導入する必要性もないと言えば、ないのかもしれない。
デジタル化は良い歯科治療を行っている歯科医師にとって、大いに助けになりますが、テキトーに良くない治療をしている歯科医のスキルを上げてくれるわけではありません。
逆に言えば、これまでよりスキルレベルに差がつく、患者さんに提供できる歯科医療のレベルに大きな差が生じてくる。つまりは、同じ自由診療、自費診療の中でクオリティに差がついてくるということでしょうか。