どんな無料相談が多いのか 米国補綴専門医が語る一般歯科医の知らない世界

August 6, 2017

開業からもうすぐ二ヶ月。毎週のように無料相談のアポイントが入っています。

 

相談の内容は神経の処置の不調が3割、インプラントにしたい、もしくはインプラントか入れ歯かどちらがいいのかという治療計画に関する相談が3割、よく噛みきれない、かみ合わせが悪くて咬めないという診断や治療に関する内容が4割と言ったところでしょうか。

 

噛み合わせ治療における問題点、前医が何に困っているのか、何が理解出来ていないのか、その結果患者さんがどのような不具合を訴えているのか、推測してみると、咬合高径の高さと顎位の設定を見誤っているケースが多いように感じます。

 

顎位や高径の決定について歯科医に、解決方法を一つここに提示しましょう。

 

とにかく、よくわからないケースには手をつけないことです。

 

ちょっと本を読んだり、セミナーに参加したくらいで、顎位やフルマウスのケースが扱えるほど、歯科治療は簡単なものではないのですから、当然といえば当然のことです。

 

どうも咬合高径が下がっていたら、何も考えずに挙上しようというケースが多すぎる気がします。

 

高径の低下の判定は、一つのファクターでは決まりません。上下前後左右どこかズレている、不安定になっているなど、様々なケースがあります。高径の低下により、顎が奥に引っ込む人もいれば、逆に前咬みになってしまう方もいるわけです。咬合高径を高く出来ない方もいれば、態癖もない方もいます。

 

要は不安定な状態なのですから、患者さんにリラックスさせた位置に設定すればいいと安易に顎位を決めてしまうのは危険です。顎が無理な位置にポジショニングされてしまい筋肉が硬直し、すでにリラックスできない方もいるはずだからです。タッピングしている位置がそもそもズレている場合もあります。

 

特に咬合力の強い方の高径の挙上には注意が必要です。一見高径が低くなっているように見えるが、その高さで生理的な位置で安定している場合もあります。

 

もしも咬合治療を行うなら、最低限の手順は踏むべきでしょう。顎位を採得し、咬合器に付着してみる。

 

顎運動を計測してみる。

 

スプリント療法など、可逆的な処置から始める。

 

先日の相談者の方は、いきなり奥歯に咬合挙上装置をセメントでセットされ一ヶ月半。その高径が高すぎたのでしょう。外してみると、臼歯部が一箇所でしか噛み合っていませんでした。

 

分からなければ手をつけない。治療を始めない。

 

患者さんの自然治癒を妨げるような処置は行わない。

 

私はそうした基本的な診療方針を大切にしています。

 

孫子の兵法にもありますよね。

 

勝つためには、負けないこと。負けないようにするには、負ける戦は初めからしないこと。

 

物事の本質をついた意義深い格言だと思います。

 

 

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