デジタル機器による診査は有効だが、 わからなければ手を付けないことが鉄則 ブログ 米国補綴専門医が語る一般歯科医の知らない世界

来年の講習会のコースには、咬合器とデジタル顎運動測定器のレクチャーと実習をしっかり組み込もうかと検討しています。

デジタル顎運動測定器は主に診査に用います。顎運動の軌跡を患者さんにお見せすることが出来るので、説明も非常にしやすい。

右で咬んでいるのか

奥で咬んでいるのか

顎運動やかみ合わせは安定しているのか

どこの歯が早期接触をおこしているのか

などがすぐに分かります。

顎関節の動きそのものを再現できたり、見れるわけではありませんが、傾向は分かります。

顎運動が特徴が分かれば、それに合わせて歯のかみ合わせも形態の与え方も考えやすい。

そして予後の推測が把握しやすく、治療計画が立てやすくなります。パラファンクション、歯ぎしりなどの兆候がみられれば、インプラントやセラミックなど歯や顎関節に負担を強いる被せものをセットするには注意が必要です。

なにより、患者さん自身がそのことに気付き、理解出来るのが大きなメリット。

カボのデジタル顎運動測定器と咬合器は連動しています。デジタルで計測した数値をそのまま咬合器にセットすることで、咬合器装着のテクニカルエラーが格段に少なくなりました。

ただし、デジタル機器を使いこなすには、アナログの知識やスキルが必須です。

残念ながら日本の歯科医のほとんどは咬合器を使ったことがない、取り扱わないのが現状です。

日本の大学でそうした卒後研修のプログラムがないことに起因していますが、デジタル化がもう少し進めば、診査の手間も劇的に軽減されるでしょう。

受講生だけにデジタル顎運動計測器を使って欲しいというわけではありません。

顎関節症というより、顎の位置、顎運動の動き、かみ合わせに注目して欲しい、意識を向けて欲しいのです。

顎運動と歯のかみ合わせの不調和でお困りの患者さんにたくさん接してきました。

聞きかじった知識やスキルで治療してしまうのは危険です。

本質的に理解してないと、誤解してしまうだろうなと思われるセミナーは沢山存在しますから。。内容そのものが間違っているというより、少し聴いただけでは、受講する側の歯科医の理解が付いていかないという方が正しいかもしれません。

みてわからなければ手を付けない。私も未だにそうしてます。治療開始まで時間を取ります。

インプラント同様、フルマウスの治療、かみ合わせの高さの変更を伴うような大掛かりなケースを始めるときには、特に慎重に診査を進める必要があるでしょう。


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