日本の歯科医療とデジタル化の波〜 ブログ 米国補綴専門医が語る一般歯科医の知らない世界〜

新幹線の移動時間を利用して、インプラントの治療計画を立案中。

インプラントの埋入位置の検討に不可欠な分析ソフト。私はケースに応じて使い分けています。

分析からインプラント埋入位置を決めてサージカルガイドを作製し、インプラントのオペをするのが世界基準。

これはノーベルバイオケア社のノーベルクリニシャン。ワックスアップしたセットアップ模型を技工所に送るとCTデータとスーパーインポーズしてくれます。 

最終的な上部構造の形態がCT分析ソフト上に映し出されるので、埋入ポジションの決定には非常に優れています。ただし、まだ3Dプリンターに直接分析したデータを送ることが出来ないのが難点。

セットアップ模型を作成し、技工所に送り、CT分析し、ガイドをオーダすること一週間。

これだけ手間暇、費用、時間がかかってしまっては、一般歯科クリニックで導入するには正直ハードルが高い。

各メーカー、細かい違いはありますが日本では、分析ソフトやガイドはこうして多大なコストがかかるので、あまり普及していません。

クリニック内のデジタル化を進めれば進めるほど、日本の歯科医の置かれた現実に直面し、なんとも言えない気持ちになります。

ちなみに当院では全ての機材が揃っているので、CT撮影、型採り、ワックスアップ、分析、ガイド作成まで1日で完了します。

ただし咬合器にマウントして咬合診査など必要なステップは踏むので、初診の後すぐにCT分析、ガイド作成とはいきません。むしろ煩雑なアナログ的プロセスを大切にしているところが、補綴専門医の価値でしょう。

それでもオペーレションの煩雑さからは、間違いなく解放されました。

もちろんガイドが大切とは言え、最終的にはガイドなしで埋入することの方が多いですし、下記Valenteらの論文にもある通り、ガイドを使えば100%正確に埋入出来るわけではありません。 

 ガイドはあくまでガイド。サージカルガイドを使用しても、ある程度ハンドエラーは生じますが、だからとCTによる分析もガイドなしにインプラントを埋入して良いということにはなりませんよね。

インプラントは高額な保険外の治療費になりますし、治療を提供するからには万全の外科のオペレーションやメインテナンスのシステムを確立した上で治療に臨むべきものではないでしょうか。

インプラントはそのような歯科医の責任感と倫理観がより一層求められている治療だと思います。


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