噛み合わせが良くないと、インプラントにしても噛めるようにはなりません。-ブログ 米国補綴専門医が語る一般歯科医の知らない世界-

埋入した インプラントの本数を自慢するために投稿したのではありません。
この方はインプラントにしたのに、全然噛めるようにならない、どうも違和感が取れないと言う主訴で来院されました。
これだけの本数を入れても噛めないというのは、本当に悲しいというか、あってはならないこと。
噛めないのには、理由、原因があるはずです。
まずは噛み合わせ、歯と歯の関係です。 次に咀嚼運動、噛む筋肉に何らかの問題がある。もしくは顎関節の動きに問題があるか。
上下の歯と歯の関係とは、上下左右的な関係や高さに問題がある場合。他にも考えられる理由はたくさんありますが、他のケースなども挙げながら今後紹介したいと思います。
この方の場合は、噛み合わせの高さに問題がありました。
噛み合わせを高く設定しすぎたために、喋りにくい、、噛むと疲れるという不具合が生じていました。被せ物が欠けてくるのも高さが一つの原因と考えられます。
原因は明らかになったものの、そのあとの被せ物を全てやり直すことになり、患者さんは大変ご苦労されました。
こうした大型の全顎的なケースの場合、仮歯から最終的な上部構造、フルブリッジを作成するだけも大変です。仮歯の関係をそのままファイナルに移行するのが難しいのです。
この方は、特に高さに対して敏感だったので、少しずつ変えていきました。咬合力も強く、調整に時間がかかりましたが、最近ようやく高さと噛み合わせにも慣れ、今回の被せ物、噛み合わせには満足しているとのこと。最終的に喜んでいただけたようで何よりです。
ただし、歯を守るためのナイトガードは、出来る限り装着した方が良いでしょう。