アドバンスコース初日は、患者さんご協力による臨床実習〜米国補綴専門医が教える、一般歯科医の知らない世界Vol.4〜

アドバンスコースは、実際の患者さんにご協力致き、臨床実習を行います。

個人的な経験上、これ以上のスキルアップの方法はなく、それはセミナーを主催している講師の方も受講生の先生方も同意していただけると思います。

もちろん、患者さんには写真撮影や治療の許可などすべて了承を得ています。

アドバンスコースの実習は以下の通り、補綴治療に必要な内容を網羅する内容となっています。

総義歯の印象採得

カスタムトレー作成

コンパウンドを使用したボーダーモルダリング

ボクシングと作業用石膏模型の作成

CRポジショニングと咬合高径の採得

フェイスボートランスファーと咬合器付着

人工歯の排列と試適と

完成義歯の調整とCRポジションでのリマウント

さらに、

シリコン印象材を用いた総義歯複製

咬合治療のための顎運動計測器(アルクスディグマ2)の使用法

咬合治療のためのスプリント作成(ワックスアップ法)

アルクスディグマ2とカボのプロター咬合器を用いたデジタルフェイスボートランスファーと咬合器付着

トリオス3と3Dプリンターを用いたインプラントサージカルガイドの作成

義歯の複製、カスタムトレー、スプリント、インプラントオペのためのサージカルガイド、仮歯の作成、ワックスアップは、光学オーラルスキャナー、トリオス3を用いて行います。

アナログ、デジタルどちらも受講生自身に実際手を動かしてやってもらう、というのがSEED主催のセミナー、アドバンスコースの特徴。

写真は、カボ社のテクニシャンの方による、顎運動測定器のデモ。

このアルクスディグマ2は、顎関節症を治療する、というよりむしろ補綴治療に有効な器械です。顎の運動を完全に再現しているわけではありませんが、顎運動の傾向は十分把握できるので、補綴物の精度、予後、患者さんへのコンサルテーションの内容、説得力は大幅に向上するでしょう。

実習と並行して実際の治療を見学してもらったり、各自のケースプレゼンテーションを通じて、実習で学んだ内容を、あとは各自の治療にリンクさせて落とし込んでいきます。

患者さんは、10年以上前に作成した上下インプラントオーバーデンチャーの新製を希望されて来院されました。顎堤の吸収が顕著で、印象採得は既製トレーだと非常に難しいケースです。

印象材の取り扱い、アシスタントのつき方、解剖学的な特徴、手の動かし方など、ポイントを説明し、実習開始。概形印象なのでこれくらいとれていればOKです。

高性能のデジタル機器も、この手作業による土台がなければ、何の役にも立ちません。歯科治療の基本は、このアナログ、コンベンショナルな手作業なのです。

残念ながら土日もフルで診療することになってしまったので、アドバンスコースを来年以降も開催するかは今のところ未定です。

さらにポイントを絞って年6回くらい開催にし、実習中心のコース内容にしてもいいかもしれませんね。

青山になるか富山になるか、一部分だけの開催になるか、どういう形になるかは分かりませんが、患者さんにご協力いただける限り、臨床実習は続けていくつもりです。


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